スクラッチベーカリーとは?
スクラッチベーカリーとは?
パン屋さんで働きたい、開業したいと漠然と思っている人は多いかもしれません。
ですが、一口にパン屋と言っても様々な種類があります。
自分がどのようなパン屋になりたいのか考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
あなたはどんなパン屋さんになりたいと思っていますか?日本にも世界にも非常に沢山のパン屋さんがあります。ですがその中にはパンの製法や形態によっていくつかの種類のお店があります。
こちらのページではその中でもスクラッチベーカリーとはどのようなものなのか、他のものとはどのような違いがあるのかについてまとめています。
これからパン屋になりたい人や、開業を目指している人は、働くお店を選ぶ際や自分のお店作りの際にぜひ参考にしてみてください。
1.スクラッチベーカリーについて
そもそもスクラッチベーカリーとはどのような方法のことを言うのでしょうか?
スクラッチベーカリーとは、パンの生地を粉から仕込んで形を作り、発酵させて焼き上げる、
というパンを作るための工程を全てお店に併設された工房で行うことを言います。
他の方法と比較すると手間も時間も非常に多くかかるので、とても大変ではありますが、
その日の天候や気温、水温など様々な条件を考慮しながら
職人の手によってこだわりを持ってパンを作ることが出来る方法です。
近年では効率よく低価格で沢山のパンを生成するために生地の仕込みや成型、
発酵は工場などで集中して大量生産を行い、冷凍保存をしてあとは焼くだけという状態にしておいて、
それをそれぞれのお店で焼き上げる方法をとっているお店が非常に多いです。
もちろんこういった方法の方がコストの削減には繋がりますが、
スクラッチベーカリーはそれよりも手間暇かけて丁寧に作られたパンをお客さんに提供することが出来ます。
2.ベイクオフ、QBDとは?
パンの製造方法は大きく分けてスクラッチ製法とベイクオフ製法、QBD製法に分けられます。
スクラッチ製法はスクラッチベーカリーで採用されているパン作りに必要な工程を全て一貫して行う方法です。
これは個人で開業しているパン屋さんで広く採用されている方法です。
その一方でベイクオフ製法やQBD製法とは主にチェーン展開しているような
大手のパン屋さんで多く取り入れられている方法です。
粉の仕込みから始まり、ある程度の工程は工場でまとめて行い、
大量生産したパンやパン生地をそれぞれのお店に運びます。
お店では必要に応じて発酵させ、焼き上げるだけで良いという方法です。
大量生産が可能ですし、仕込みなど手間や時間の非常に多くかかる作業を
それぞれのお店で行う必要がありませんので、スクラッチ製法と比較すると効率的に
パン屋を運営していくことが出来ます。
ベイクオフ製法とQBD製法の違いは、お店に運搬される際の生地の状態にあります。
ベイクオフ製法では成型する前の状態で生地を冷凍したものをお店に運びます。
お店では生地を解凍して成型し、発酵して焼き上げることで商品として提供をすることが出来るようになります。
QBD製法は仕込み、成型、発酵まで全て完了した状態のパンを急速冷凍してお店に運びます。
お店では冷凍した状態のまま焼き上げるだけでお客さんに提供することが出来ますので、
よりお店での負担を軽減することが出来ます。
ベイクオフ製法は店内での作業を減らすことが出来るので、大型の設備を設置する必用が無いため、
生地作りの手間を削減出来ながらも、お店で成形することが出来るので
独自性も出すことが出来るのが大きなメリットです。
しかし生地に関してはバリエーションを持つことが出来ないデメリットもあります。
QBD製法はお店では焼くだけで良いので、パンを簡単に提供出来ることやコストを削減出来ること、
常に同じ状態のものを提供出来るメリットがあります。
しかし当然ながら、お店でアレンジをすることは出来ないデメリットが発生してしまいます。
3.スクラッチベーカリーの魅力
コストの削減や、より効率的にパンを作ることが出来る方法があるにも関わらず、
スクラッチベーカリーが未だに存在していて人気を集めている理由とは一体何なのでしょうか?
それは他の製法で作られたパンにはない魅力が、スクラッチベーカリーで作られるパンにはあるからです。
まずスクラッチベーカリーで採用されている、オールスクラッチ製法では原料となる粉の仕込みから、
成型、発酵、焼き上げまでを全てお店にある工房で行います。
そのためその日の天候や気温、水温などに合わせて職人の手によってこだわりを持って生地を作ることが出来ます。
その日の環境に合わせて、一番良いものを作ることが出来るということが最大の魅力です。
また原料も自分のお店で選ぶことが出来ますので、こだわりを持って原料の選択が出来るため、
生地にもオリジナリティを出すことが出来ます。
これによって他のお店との差別化を図ることができ、
そのお店でしか食べることが出来ないパンをお客さんに提供することが出来ます。
仕込みや生地作り、発酵という工程には非常に多くの時間と手間がかかりますので、
効率を考えるとあまり良い方法ではないかもしれませんが、こだわりを持って丁寧に作られ、
お店のオリジナリティの沢山詰まったパンをお客さんに提供出来るということが、
スクラッチベーカリーの最大の魅力と言えるでしょう。
4.まとめ
近年はより効率的でコストの削減にも繋がる、冷凍生地を使用したベイクオフ製法などの方法を
取り入れているお店が非常に多くなっています。
しかしパン屋さんの魅力であるこだわりを持った丁寧なパン作りをするためには、
スクラッチベーカリーである必要があります。
これからパン屋を開業するのであればスクラッチ製法でのパン作りを学び、
オールスクラッチ製法のパン屋を運営していく術を学んでいくことで、
より魅力的で沢山のお客さんを惹きつけるお店を作ることが出来るでしょう。