パン屋さん開業における開業資金の調達方法について
目次
<公的融資制度を利用した開業資金の調達方法について>
開業に必要な開業資金融資制度をご紹介します。
日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用すれば、開業も比較的スムーズに可能です。
開業資金に悩まれている方は、是非ご参考ください。
パン屋を開業する為には開業資金が必要です。
そうは言っても、よほどの貯金が無ければ直ぐの調達は極めて難しいものです。
起業家の前に立ちはだかる資金調達問題。しかし開業資金に迷ったそんな時は、新規事業者の為の融資を受けてみるのがおすすめです
実績も無いのに融資なんて受けられるの?と、不安に思う人も多いでしょうが、実は新規事業者でも低い金利で受けられる、最適な融資制度は存在するのです。
また、それらの融資制度を活用し、リライブの卒業生は資金調達に成功しており、特に、リライブの開業サポートを受けた人の融資獲得率は100%です。
このページでは開業資金の融資制度や、開業に必要な事前準備についてご紹介したいと思います。
①「立地」や「内装」費用が肝心!
たとえば、とても美味しいパンを並べているのに、何故か繁盛しないパン屋ってありますよね。
どれだけ美味しいパンを作れたとしても、売れるためには、立地や居心地、サービス等の色々な条件が必要な場合が多く、それらを上手く準備したパン屋こそが成功しているパン屋と言えるのです。
日本のパン作りのレベルは高く、たとえ人口の少ない小さな街であっても、美味しいパン屋はそこかしこに存在します。
新たにパン屋を開業する際は技術だけではなく、様々な要件を満たす必要があるという事がここから分かります。
パン屋の商圏は徒歩5分から10分程度です。距離にすると半径350mから500mとされています。
開業する前に、まずはこの商圏を基に徹底したリサーチが必要となります。
住んでいる住民の年齢層、家族構成、スーパーや大型商業施設が周りにあるか無いかといったリサーチを行い、且つ、そのデータを基に店の内外装等の雰囲気作りにも注力しましょう。
自分の描いている理想のパン屋像と、街の雰囲気がかけ離れていないか、もし雰囲気とイメージがそぐわないのであれば、どこで開業するのがベストであるか、入念な下調べが必要です。
その為の費用を逆算し、予めどこにどれだけかかるのか明確にしておきましょう。
②パン屋開業は公的融資制度の対象
さて、パン屋を開業したい、と思ったところで何より悩むのが開業資金ですよね。
資金調達出来なければ、いくら美味しい物を作れたとしても、いくら理想のイメージを描いていたとしても開業は出来ません。
しかし、簡単に諦めてはいけません。というのも、開業資金は公的融資制度を上手に利用すればなんとかなる可能性が高いからです。
この制度は、国や地方の自治体といった公的な機関が、中小規模の個人事業主や開業を予定している人を対象にした、日本政策金融公庫や信用保証協会が提供している融資制度を指します。
③日本政策金融公庫の新創業融資制度とは
ここで、開業する際に利用しやすい公的融資制度をご紹介します。
特に実績のない新規事業者にとっては融資を受けるのはとても難しい事だと思われがちですが、先に紹介した公的制度の中には、新規事業者を対象とした融資制度もいくつか存在します。
たとえば、日本政策金融公庫の新創業融資制度や、地方自治体による創業融資制度などがそれに当たります。
後者の創業融資制度は金利も低く、融資も受けやすいのですが、審査の時間が長く、自治体によって融資限度額や条件にも差がある為、どちらかというと前者の新創業融資制度がおすすめです。
この制度は、政府系金融機関により設けられた融資制度です。
特徴としては、無担保・無保証人でありながらの低い金利と、返済期間が長期に設定されている事から、無理のない範囲で返済が可能である事。正にビジネスを新たに始める人には最適の融資制度と言えるでしょう。
創業融資制度を受けられる条件は、新たに事業を始める人、または事業開始後に必要とされる税務申告の2期をまだ終えてない人、雇用の創出を伴った事業を始めようとしている人、勤務中の企業と同じ業界・業種の事業を始めようとしている人、産業競争力強化法による認定特定創業支援事業などを受けて事業を始めようとしている人、または民間金融機関と公庫による融資を受けて事業を始める人の一定条件に当てはまる人、とあります。
自己資金要件は、創業時で創業資金総額の10分の1以上とされています(新たに事業を始める人、または事業開始後の税務申告を1期終えてない人がこれにあたります)。
ただし、自己資金が無ければ審査も中々通り難い為、出来得る限り自己資金を調達する事は必須です。
金利は市場動向の変動もあり、日本政策金融公庫のHPをチェックされる事をおすすめしますが、大体2%程度とされています。
無担保・無保証人で融資を受けられる事を考えれば、とても低い金利に抑えられていると考えられるでしょう。
融資限度額は3000万円です。民間等の他の金融機関と比べて審査も通りやすいですが、滅多な事では上限限度額での融資は受けられませんし、審査が通らない事も勿論あります。
しかし、個人のパン屋を開業する程度の資金調達は個人でも十分可能ですし、リライブの卒業生は全て自己資金の出どころをはっきりさせておく、事業のビジョンや運営計画が明確である、といったアピールは、審査によって当然必要となりますので、念頭に置いておきましょう。
④まとめ
開業資金なんて遠い夢、と諦めてしまいがちですが、今では様々な融資制度を受けられますので、決して夢で終わらせる事はありません。
とはいえ融資を受ける事も、また開業してパン屋として経営を成り立たせる事も、事前の徹底した準備が必要です。
立地を調べ上げ、作りたい内装のイメージをしておき、自分の理想を明確にしておきましょう、更に、融資を受ける際はしっかりとした事業計画書を作成する必要があります。
新創業融資制度を受ける際の事業計画書については、日本政策金融公庫のHPからフォーマットをダウンロード出来るので、チェックしてみてはいかがでしょうか。また、事業計画書については別記事にて詳しくご紹介していきたいと思っています。
<パン屋・カフェの開業前に知っておくべき、事業計画書の作成について>
パン屋やカフェなどの開業するにあたって、事業計画書を作成しなければなりません。
果たして事業計画書とはどういった書類であり、何の目的で作成するのでしょうか。
作成の目的や、気を付けたい注意点などの情報をまとめました。
開業に必要な事業計画書。融資を受ける際に必要な書類とされていますが、一体どういった事を書くのか、どんな用意をしておくべきか、知っていますか。事業計画書の作成方法についてご紹介します。
①事業計画書とは
事業計画書とは、どういった事業展開をしていくのか、どんなサービスや商品を販売するのか、展開していきたいマーケティング戦略について、事業規模や人員や、商品単価などを具体的に書き出した書類です。
作成の目的は、自分や従業員に提示する事で今後の方向性をより明確にし働きやすくする為であり、または融資を受ける予定ならば、その審査の際に必要な書類となります。
融資を受ける受けないに関わらず、開業しようと考えている人にとっては今後の指標となる重要なアイテムです。
事業計画書の作成は避けては通れません。難しく煩わしいものに思いがちですが、書き進めていく内に、目標や問題点を浮き彫りにする事も出来ます。
事業を末永く運営していきたいならば、作成を怠ってはいけません。
②事業計画書を作成する際に注意すること!
では具体的に事業計画書を作成する際は、どのような事に注意をして書き進めていくべきでしょうか。
例えば、日本政策金融公庫創業計画書には以下のような記入項目が設けられています。
「1.創業の動機」、「2.経営者の略歴」、「3.取り扱い商品やサービス」について、「4.セールスポイント」について、「5.取引先の関係」、「6.従業員や借入状況」について、「7.必要な資金の資金の調達方法」について、「8.事業の見通し」について。
これらの項目を全て客観的に、明瞭に、簡潔に分かりやすく書きまとめなければなりません。
事業未経験の人が全ての項目を埋められるかというと、難しい話かと思われます。
よって、本書をダイレクトに記入する前に、まずノートを用意し、要点をまとめるような形で下書きを作成していきましょう。
要点をまとめる際は、設けられている8つの項目に従い、理念・ビジョン、行っていきたいビジネスの内容について・環境や立地・人員・販売計画・マーケティング戦略・資金計画や収益性の問題に焦点を絞って考えていきます。
まず、起業の理念やビジョン。これは審査を受ける際は真っ先に目を引く重要なポイントとなります。
やりたい事、どういったマーケットを展開したいのかといった理念を整理して詳しく書き出してみましょう。
どういった商品やサービスを売り出すのかは既に決まっているかとは思いますが、より具体的な商品性やサービスを描き出してください。
市場環境や立地は、どういった客層をターゲットにしていくかという事をまずは考え、客層が判断出来ればそこからを逆算する形で考えれば、答えは出やすい筈です。
自分のサービスや商品が、どういった場所に需要があるでしょうか。ニーズを把握しておくのは経営の根幹となります。
どれぐらいの人員を雇用するのか、そしてその人員でどういった仕入れや流通を行っていくのかといった規模を洗い出してみます。
ここでは商品の仕入れから販売までの一連の流れをしっかりと把握しておきましょう。
販売計画は、これから数年先の未来を見据え、どんなスケジュールで経営していくのかを考えなければなりません。
たとえ起業が出来たとしても、大切なのはどれだけ長く、安定して経営出来るかが焦点となります。
マーケティング戦略については、狙う客層に対して、どういった販売戦略を行っていくのか、販売計画で出した将来的な数値等を照らし合わせ総合的な戦略をまとめます。
最後に、資金計画や収益性といった項目に関しては、初期投資についてや今後の利益目標、運転資金などの見積もり、商品単価などといった具体的な数字をはじき出しておきます。具体的な数値を試算しておく事で、目標がより鮮明になり、問題点も浮き彫りにされます。数字に関しては、たとえば各官公庁などが出しているデータを基にすると、様々な統計数値や小売り価格などを調べる事が出来るので利用してみてください。
信頼性の高い数字を出しておく事は、融資の審査でも大変重要です。
また、事業計画書においては、予想で記入する事が殆どでしょうが、その予想を裏付けるような証拠があれば一緒に提出するのも大事です。
証拠を提示する事で、より信頼性の高い計画書になり得るからです。事業計画書は各制度によって違いがあります。
指定されているフォーマット以外の計画書を提出して審査から漏れてしまった、なんて事にならないように注意しましょう。
その他、各制度によっても注意事項が各々存在しますので、提出する前は必ずチェックしてください。
日本政策金融公庫の新創業融資制度に関していえば、記入例が日本政策金融公庫のHPにも載っています。
記入の前に事前に調べておく事をおすすめします。
③まとめ
事業計画書は一見すると大変難しく感じられます。しかし、本当に事業を始めたいという人にとっては必ず作成しておくべき書類ですし、書き進めていく内に、次第に楽しいと思えてくる書類です。
自分の理想の店舗イメージや、どういった商品展開をしていくのか、どんな販売戦略を行っていくのかといった想像を、実際に紙面に書き出せば、まるで自分の夢が一歩ずつ近づいていくような感覚を味わう筈です。
それに加えて今まで気が付かなかった問題点も浮き彫りにされるので、今後の対策も立てやすくなります。
事業計画書は開業の第一歩です。第二、第三歩をつまづかずに済むよう、しっかりとした書類を作成するよう心がけましょう。
リライブのプランニングの授業では、この事業計画作りをし、作成するのも目的の1つです。
店舗のオーナーとして、大切なプラン作りが楽しく出来るようにして、自己の大切な想いのつまった、世界に一つだけの事業計画書を作っていきましょう。