社会人がパン屋を開業するなら長期と短期どちらの専門学校に通うべき?
目次
パン屋の開業が目指せる専門学校には長期と短期がありますが、その違いをご存知ですか?
どちらも社会人向けではあるものの、仕事と両立する難易度は段違い。
そこで今回は、製パンスキルや開業のノウハウが学べる専門学校において、社会人に適しているのは長期と短期のどちらなのか比較してみました。
製パンスキルが学べる通学タイプの学校とは?
パン職人を目指す主な方法は、「学校に通う」「オンライン通信」「独学」の3種類です。
中でも、個人事業主として自分のパン屋を開業している方の多くは通学タイプの学校を卒業しており、選択肢として下記の3種類が挙げられます。
▼通学タイプの学校の種類
- 1、大学や短期大学:食物栄養学科、製菓専攻など
- 2、長期タイプの専門学校:毎日(平日)通学して、卒業まで1年以上かかる
- 3、短期タイプの専門学校:週1や夜間などのペースで通い、数ヵ月ほどで卒業できる
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社会人にとって最適な専門学校とは?
働きながらパン職人を目指そうとしている社会人の選択肢は、長期または短期の専門学校の2種類に限定されます。
ガードマンや清掃員といった深夜勤務の方なら、平日の日中に通う長期タイプの製パン専門学校でも可能でしょう。
しかし、平日の日中に会社勤めをしている大多数の社会人にとって最適なのは、受講ペースの自由度が高く仕事との両立がしやすい短期タイプの専門学校です。
また、就職ではなく「パン屋のオーナー」になるのが目的であれば、マーケティングや収益計算などのカリキュラムが含まれているコースを設けている専門学校が理想的。
黒字化はもちろん、長期的に安定的な経営を維持するには製パンスキルだけでは不十分なのです。
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パンの専門学校で学べること
専門学校のベーカリーコースで学べる範囲は、各コースによって異なります。
一例として、一般的な「パン屋の開業コース」に含まれているカリキュラムの内容についてご紹介しましょう。
▼パンの専門学校で学べること
- 製菓や食品に関する理論
- 栄養学の知識
- 製パン技術の実習
- パン製造技能士や製菓衛生師などの資格取得
- 接客スキル
- 収益計算や単価設定など、経理に関する知識
- 集客や宣伝のノウハウなど、マーケティングに関する知識
中でも、卒業と同時に「パン製造技能士2級」が取得できる、あるいは「卒業後のサポート」が受けられる専門学校などが人気を集めています。
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長期タイプ(1年以上)の専門学校に通うメリット
まずは、長期タイプの専門学校を卒業するメリットについて見ていきましょう。
▼長期タイプのメリット
- 製パン技術をじっくりと繰り返し学べる
- 複数の資格取得が目指せる
- 栄養学の講義が充実している
製パン技術をじっくりと繰り返し学べる
1つ目のメリットは、何と言ってもしっかりとした製パン技術の習得でしょう。
長期タイプの専門学校は、短期タイプに比べて圧倒的にカリキュラム数が多いのが最大の特徴です。
カリキュラム数が限られている短期タイプでは、効率的にポイントを押さえた指導方法が用いられています。
これに対し、長期タイプは数年かけてじっくりと学ぶスタイルですから、下記のような方に向いています。
▼時間をかけた学び方が向いている方
- 開業まで、時間的な余裕がある方
- 物覚えに自信がない方
- クラスで落ちこぼれないか不安な方
- 何事も、納得しないと次に進めない方
複数の資格取得が目指せる
2つ目のメリットは、複数の資格取得が目指せるという点です。
製パンに関する資格は種類が多く、難易度の高い国家資格から数日程度のオンライン通信教育だけで取得できるタイプまで多岐にわたります。
長期タイプの場合、少なくとも1つの国家資格に加え選択制で複数の民間資格が取得できるシステムを取り入れている専門学校も少なくありません。
▼パンに関する資格の種類
- 国家資格:パン製造技能士/製菓衛生師
- 民間資格:パンコーディネーター/パンマイスター/パンシェルジュ検定など
栄養学の講義が充実している
3つ目のメリットは、パン作りだけでなく栄養学の講義も充実しているという点でしょう。
特に下記のような営業スタイルを希望している方にとっては、栄養学の講義が大きな武器になります。
▼栄養学が役立つ人
- 調理パンをお店の「ウリ」にしたい人
- ブランチなどを提供する「イートインスペース」を設けたい人
- カフェ経営の一環として「自家製パン」を提供したい人
長期タイプ(1年以上)の専門学校に通うデメリット
一方、長期タイプの製パン専門学校を卒業するデメリットとして、下記の3点が挙げられます。
▼長期タイプのデメリット
- 卒業まで最短でも1年以上はかかる
- 仕事との両立が難しい
- 学費と生活費の負担が大きい
卒業まで最短でも1年以上はかかる
1つ目のデメリットは、卒業するまで最短でも1年以上かかるという点でしょう。
しかも、長期タイプの製パン専門学校では2年制が主流です。
中には1年制を導入している学校もありますが、その場合は学べる範囲が限られてしまうため、取得できる資格も基本的に1種類だけと思っておいた方が良いでしょう。
仕事との両立が難しい
社会人にとっての最大のデメリットは、何と言っても仕事との両立が難しいという点でしょう。
講義の代替えが認められていない、早朝からリアル店舗での実習が組まれているなど、カリキュラムの融通が利かない学校も珍しくありません。
何より、平日の日中に毎日通うには仕事のシフトを夜間または週末に組む必要があり、両立できる職種が限られてしまうのです。
学費と生活費の負担が大きい
働きながら専門学校に通う社会人にとって、大きなネックとなるのが金銭的な負担です。
しかも、長期タイプの専門学校は2年制が主流なうえ講義数が多いため、短期タイプに比べて学費が高額になりがち。
カリキュラム内容によって相場は異なるものの、製パン開業コースの2年制では300~400万円とも言われています。
そのうえ通学している間の生活費も必要になるため、「卒業はできたけど開業資金が用意できなかった…」という理由から、オープンを先延ばしする方も少なくありません。
短期タイプ(数ヵ月)の専門学校に通うメリット
続いて、短期タイプの製パン専門学校に通うメリットについて見てみましょう。
▼短期タイプのメリット
- 数ヵ月ほどで卒業できる
- 週1や夜間などのペースで通えるので仕事と両立しやすい
- 長期タイプより学費や生活費の負担が軽い
数ヵ月ほどで卒業できる
「独立開業してパン屋のオーナーを目指そう!」と決心した社会人の多くは、高校を卒業したばかりの学生とは比較にならないほど時間的な余裕がありません。
事実、当校の生徒さんを例にとってみても、「30歳までにはパン屋のオーナーになってみせる!」「来年の今頃にはお店をオープンしたい!」など、具体的なタイムリミットを設けている方がほとんどです。
だからこそ、数年という貴重な時間を費やす長期タイプよりも、わずか数ヵ月で必要なスキルが習得できる短期タイプの専門学校を選択する社会人が多数派を占めているのでしょう。
週1や夜間などのペースで通えるので仕事と両立しやすい
仕事との両立のしやすさは、短期タイプの最大のメリットと言っても過言ではありません。
そもそも、短期タイプの専門学校は製パンに限らず「社会人が通いやすいシステム」が前提になっています。
▼社会人が通いやすいシステム
- 週1や週2など、ライフスタイルに合わせて受講ペースが選べる
- 夜間や週末などに集中して通えるコースもある
- 講義中の録画を認めている学校もある
- オンラインが併用できる学校もある
上記のシステムが導入されているからこそ、平日の日中に会社勤めをしている方でも第二の夢を追いかけることができるのです。
長期タイプより学費や生活費の負担が軽い
金銭的な負担が長期タイプよりもはるかに軽いのも、短期タイプの製パン専門学校が選ばれている大きな理由でしょう。
相場はコースによって異なるものの、長期タイプの1/10ほどで済む学校もあるほどです。
何より、学校に通っている間も本業への支障はほとんどありませんので、「本業で生活費を稼ぎつつ開業資金も貯めたい!」「できるだけ授業料を抑えて開業資金を確保したい!」という方にとっては、うってつけの学び方と言えます。
短期タイプ(数ヵ月)の専門学校に通うデメリット
社会人向けの専門学校と言えば短期タイプが主流ですが、だからと言ってデメリットが全くないわけではありません。
ここからは、数ヵ月で卒業できる短期タイプの製パン専門学校に通う、代表的な3つのデメリットについてご紹介します。
▼短期タイプのデメリット
- 目的を見誤ると別コースを受講し直す必要がある
- 開業に役立つ講義が含まれているとは限らない
- 極端に短期だと実践で役立たない可能性が高い
目的を見誤ると別コースを受講し直す必要がある
社会人が専門学校に通う場合、「プロとして通用する製パン技術を身に付けたい!」あるいは「パン製造技能士の資格を取得したい」など、目的が明確に定まっているモノです。
とはいえ、実際に学んでみると「イメージと違っていた…」「もっと玄人向けの資格を目指すべきだったかも…」と迷いが生じ、改めて別コースの受講を追加される方も珍しくありません。
両方とも役立つスキルであれば良いですが、中には「費用をムダにした!」と後悔している生徒さんもいます。
製パン専門学校はコースが多岐にわたるからこそ、あらかじめ周到なリサーチが必須なのです。
開業に役立つ講義が含まれているとは限らない
ほとんどの専門学校は製パン技術に特化しているため、マーケティングなど開業に役立つ講義が含まれているとは限りません。
そもそも、パン屋の開業は天然酵母パンやイングリッシュマフィンなど「より多くの製法さえ学べば成功する」というわけではないのです。
パンの製法は必須ではあるものの、早期に黒字化させて店舗経営を長期的に継続させるにはマーケティングや経理といった運営に関するノウハウが欠かせません。
特に短期タイプの専門学校では細かくコースが分かれているため、オーナー希望の方は必ず「開業に役立つ講義」がカリキュラムに含まれているか確認して下さい。
極端に短期だと実践で役立たない可能性が高い
1週間コースなど、極端に短期だと内容が薄いため実践で役立たない可能性があります。
最近では次々と新しい資格が登場していますが、その全てがプロの力量を保証するレベルとは言えません。
自宅用としてパン作りを楽しむ程度ならともかく、あくまでプロとして製パン技術を学ぶ場合は少なくとも6ヵ月ほどのコースを選ぶべきでしょう。
社会人がパンの専門学校を選ぶポイント
社会人にとって最も理想的なのは、開業に必要な「製パン技術」と「運営スキル」の両方がカリキュラムに含まれており、6ヵ月~1年ほどの期間をかけてムリなく通える専門学校です。
具体的には、下記のようなポイントをチェックしながら複数の専門学校を比較してみましょう。
▼専門学校選びのポイント
- 通いやすい立地
- 実践的な製パン技術が学べるか
- 目的の資格が取得できるか
- マーケティング戦略がカリキュラムに含まれているか
- 経理に関するカリキュラムが含まれているか
- 開業後のサポートが受けられるか
リライブのベーカリーコースが選ばれている理由
リライブフードアカデミー(RE-LIVE)は、創業16年を迎える「社会人向け製パン専門学校」の老舗です。
下記の実績から、ZIPや王様のブランチなど多くのメディアで紹介されています。
▼実績
- 卒業生:2,000人以上(大手有名店、個人店への転職者多数)
- 開業店舗数:200店舗以上
- 卒業生の店舗継続率:90%以上(地方開業・自宅改修なども含む)
「通いやすさ」と「学びやすさ」にこだわったスクール運営が、多くの社会人に支持されています。
▼スクールの特徴
- 新宿駅から徒歩3分の好アクセス
- 週1、夜間、週末コースがあり、振替授業も可能
全てのコースで小人数制を採用していますので、未経験者の方でも安心です。
▼受講生の特徴
- 未経験からスタートする方:約8割(女性が6~7割)
- 平均年齢:20~60代の社会人が中心で平均は40代(外国籍・他校からの編入生多数)
特に、下記3種類のベーカリーコースは人気が高く、卒業までの期間が週に何日通うかで調整できるのもリライブならではの強みです。
▼ベーカリーコース
- ベーシッククラス:6ヵ月
- アドバンスクラス:6ヵ月
- マスタークラス:2ヵ月~
オーナーを目指している方には、事業計画書や立地選定といった開業サポートも行っていますので、ご興味のある方は「ベーカリーコース(製パン技術習得&パン屋開業コース)」をご一読ください。
まとめ
社会人がパン屋の開業を目指す場合、ほとんどの方が専門学校への入学を検討していますが、長期タイプと短期タイプとでは難易度が全く異なります。
月~金まで毎日通う長期タイプとは違い、短期タイプなら週1~2日・夜間・週末限定などライフスタイルに合わせて通うことができます。
平日の日中に会社勤めをしている方、あるいは曜日ごとのシフト制で働いている方がムリなく通うには、短期タイプの専門学校が最も理想的と言えるでしょう。