カフェ開業前に、メニューについて考えよう
★カフェ開業前に、メニューについて考えよう
カフェを開業するときに決めておかなければいけない重要事項はメニューです。どのようなコンセプトのお店にして、どのような経営をするのか考え、そしてどのようなメニューを出すのか、その考え方について、今回は説明をいたします。
開業するにあたり、メニューをどうするかを事前に必ず決めなければなりません。カフェのメニューはお店の顔ですが、これが後々の経営を左右するので、おろそかにすることは許されません。メニューの増減はあるとしても、コーヒー専門店にするのか、コーヒー以外の飲み物を充実させるのか、軽食を出すのかだけでも全く違った雰囲気のお店になります。失敗しないカフェ経営のためのメニュー決めのポイントを検証します。
1.コンセプトに合わせたものを用意
どのようなカフェにするのかを考えてからカフェを開業することになりますが、この時、ある程度どのようなメニューを扱うのかを考えた方がよいです。まず最初に、開きたいカフェのコンセプトをどうするかを決めます。コーヒーがメインなのか、軽食がメインで、コーヒー以外の飲み物も置く店なのか、レトロな雰囲気を楽しむ店にするのか、スマホの充電やパソコンでの作業をするスペースがある喫茶店にするのか……。どのようなお客さんを取り込みたいのかを考えることによって、おのずとコンセプトが決まってくることもあります。お一人さまを狙っているカフェが、食事やスイーツに重きをおいたり、高級食材を使ったフルコースを提供したり、コンセントの貸出がなく長居お断り、という状態だとニーズに一致しません。どのような客層を狙うのかによっても、カフェのありかたや、メインメニューが変わってきます。まずどんなカフェにしたいのかを考えることから始めましょう。
2.客単価の高いメニューを用意
カフェを開業して、日々の売上が上がらなければ経営が成り立ちません。売上を上げるには、直球で言いますとできるだけお客さんにたくさんお金を使ってもらうことが必要です。しかし飲み物1杯の値段は自由に決めてよいとはいえ、相場からあまりにかけ離れた価格だと誰も買おうとは思いません。となると、1杯あたりの金額が高値になる商品やサービスを提供する必要があります。例えば、飲み物だけだと売上は上がりませんが、軽食と一緒に提供することによって、飲み物1杯の倍の売上が上がります。しかし、その分、材料費も掛かりますので、ここで材料だけ仕入れて食材を無駄にしてしまうと、マイナスが出てしまいます。メニューにはあるのに、品切れが続出すると信用を失ってしまいます。そうならないために、確実に提供ができるものを用意する必要があります。例えば、オフィスが近い場所にあるのでしたら、オフィスに勤める人たちの昼食として出せる物を用意するとか、夜はお酒を提供するなどという工夫をすることで需要が一気に高くなります。アルコール類は利幅が大きいので、カフェでも夜だけお酒を扱うところも少なくはありません。コーヒーに拘りたいという場合は、余所では飲めないような珍しい種類の豆を仕入れることも重要です。一日の内には、ピークの時間もあればアイドルタイムもあります。売上がゼロのときでも人を雇っていれば人件費が掛かりますし、雇っていなくても家賃や光熱費が掛かります。いかにこのゼロ売上を減らすかが、経営の成功か否かにかかってきます。アイドルタイムに売上を少しでもあげるためには、一人一人の客単価を上げることも必要です。単価の高い軽食を用意したり、軽食を注文すれば、飲み物が割引になったり、目玉品を限定数で販売したりなどといった工夫が必要です。思わず写真に撮りたくなるような綺麗な盛り付けをして、目を引くような食器やグラスを使うというだけでも、口コミでの宣伝効果が見込めます。
3.スピーディーに出せるものを用意
カフェで売上を上げるためには、客席の回転率を上げることが重要ですが、回転率を上げるには、実際にどのような工夫があるのでしょうか。注文を受けてから、提供するまでの時間を短くするという手があります。想像してみてください。真夏の暑い日、喉が渇いて一刻も早く冷たい飲み物で喉を潤したいのに、冷たい飲み物を注文してから出てくるまでに長い待ち時間を要したらどの様に思うでしょうか。注文を受けてから、豆を挽いて一旦温かい飲み物と同じ方法で抽出して、冷やすために氷を一つ一つ丁寧に削っているのかもしれません。氷の彫刻をグラスに入れて見た目の可愛らしさを演出する、というのがお店のウリなのかもしれません。しかし、この場合求められているのは、いかに早く提供してもらえるかです。このように、自分のやりたいことと求められていることに相違がある場合があるということを開業するにあたって知っておいた方がよいでしょう。
4.まとめ
カフェを開業する前に、どのような店にするかの店のコンセプトを考えることによって、取り扱うメニューも決まってきます。反対にどうしてもこれだけは譲れないメニューがあるのでしたら、そこから、その店のコンセプトを考えることもできます。ただ漠然と開業するのではなく、どうしても伝えたいもの、例えば、このケーキのおいしさをみんなに知ってもらいたい、無農薬栽培した豆を使った飲み物を目玉にしたいなど、店の方向性をもとにコンセプトを考えることができます。やりたいことに合わせたコンセプトの考え方、それに付随してどのようなメニューがいいのか、という考え方についても、リライブで学ぶことができます。