カフェ開業前に、BGMについて知っておくべきこと
カフェ開業前に、BGMについて知っておくべきこと
「音楽がかかっていないカフェはない」と言っていいほど、カフェにはBGMがつきものです。BGMひとつでお店のイメージが決まることもありますので、BGMのチョイスは重要です。こちらでは、BGMの効果や使用する際の注意点についてお話しします。
言うまでもなく、音楽は私たちの生活に彩りを与えてくれます。素敵なカフェで美味しいコーヒーを飲みながらBGMをゆっくり聴きたいというお客様もいらっしゃるでしょう。また、BGMを流すことはお客様のお店への満足度アップにつながるだけでなく、意外な効果もあるようです。
1.カフェでBGMを流す効果
店内に心地良いBGMが流れていることで、お客様によりリラックスしたひと時をお楽しみいただけます。また、時間帯に合わせてBGMを変えることにより、お客様が一日に何回来店しても新鮮な雰囲気を味わっていただけます。さらに、BGMには「感情誘導効果」というものがあり、お客様の購買意欲を駆り立てる効果もあると言われています。カフェにいらっしゃるお客様の性別や年齢層に合わせたBGMをチョイスすれば、売上アップにつながるかもしれませんね。また、スタッフの士気を上げるためにもBGMは一役買ってくれそうです。このようにBGMはお客様にとっても店側にとっても良い効果がたくさんあると言えるのです。
2.JASRAC(日本音楽著作権協会)について
音楽にも著作権がありますから、手持ちのCDやダウンロードした曲を勝手に流すことは違法になります。個人で音楽を楽しむ場合は必要ありませんが、カフェなどでBGMとして流す場合は、使用料を作者に支払わなくてはなりません。なぜなら音楽には著作権が存在し、カフェで音楽を流すことは営利目的と見なされるからです。ただし、作詞者や作曲者が亡くなって70年経つと著作権は消滅しますので、古いクラシックなどを流す場合は、使用料は発生しません。しかし、カフェではもっとポップな最近の音楽を流したいという方が多いのではないでしょうか。その時、使用料の支払い代行をしてくれるのがJASRACです。申し込み書はJASRACのホームページから入手できますし、電話で請求することも可能です。申し込みが完了するとJASRACから請求書が届きますので、支払いを済ませればカフェでBGMを流すことができるようになります。以前、JASRACが使用料を払わない店舗161店に対して法的措置を講じたこともありますので、請求書が届いたら、速やかに支払うようにしましょう。なお使用料は、お店の面積に比例して高くなります。例えば500平方メートル以下の店舗の場合は年額6000円、月額は1200円となっています。また、利用時間が1回5分以内の場合は1曲あたり2円の使用料がかかります。数字を比べてみると、最も割安なのが年払いだと言えます。支払いは口座引き落としまたは振り込みの2種類を選ぶことができ、振り込みの場合の手数料は利用者が負担することになっています。支払いが済んだ後はJASRACから契約店を示すステッカーがもらえますので、店内に貼っておかれると良いでしょう。
3.音楽配信業者のサービスを利用するという手段
カフェのBGMを流すためには、JARSACに届け出をする以外に音楽配信業者に届け出をする方法もあります。この音楽配信業者はJARSACと契約している業者ですので、安心して利用することができます。JARSACの場合は申請してから許可が下りるまで時間がかかってしまうこともあるため、急いで使用したい場合は少々不便ですが、音楽配信業者の場合はスピーディーに申請ができますので、忙しい開業準備の合間を縫って気楽に届け出ることができます。また、使用料の支払い代行をしてくれるだけでなく、機器の貸し出しも行ってくれるので、開業に向けててんてこ舞いの時にはとても心強いサービスですね。当日利用が可能な業者もありますので、オープン直前に申し込んでも間に合いそうです。音楽のジャンルも豊富ですので、カフェの雰囲気や好みに合わせて自由にチョイスすることができます。ターゲットとなるお客様の年齢層や性別に合わせてBGMを考えるのも楽しみの一つですね。どんな音楽を選べば良いかよく分からないという方は、プロが作成したプレイリストを選ぶこともできますから、あれこれ悩む必要もありません。設置工事の要不要や月額利用料に関しては各業者によって異なりますので、興味のある方は一度調べておかれると良いでしょう。各配信業者のサービスについて比較したサイトもありますので、参考になさってください。お試し無料キャンペーンを行っている業者もありますので、まずは気軽に試してみてはいかがでしょうか?なお、配信業者の中にはJASRACと契約を締結していない業者もありますので、注意が必要です。せっかく申請がスムーズにいっても、あとから著作権でもめるなどのトラブルに巻き込まれないとも限りません。配信業者と契約を結ぶ場合は、必ずJASRAC認定業者であるかどうかを確認してからにしましょう。
4.まとめ
多額の開店資金がかかるのでBGMにはなるべくお金をかけたくないという気持ちも分からなくはありません。しかし、使用料を支払わずにビクビクしながら営業するのは精神的にも辛いものです。訴訟問題を引き起こさないためにも、使用料は気持ちよく支払いたいものですね。