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カフェ・喫茶店の開業資金はいくら?3タイプの開店資金が一目で分かる一覧表

カフェ・喫茶店の開業資金はいくら?3タイプの開店資金が一目で分かる一覧表

カフェや喫茶店のオーナーを目指している方にとって、不安や疑問はつきモノ。中でも一際多くの方からお問い合わせを受けるのが、「一体いくらあれば開業できるのか?」という疑問についてです。そこで今回は、開業資金の内訳8種類について個別に解説したうえで、合計金額の一例や利用できる助成金などについてご紹介します。

カフェや喫茶店の開業資金!必要な費用は8種類

マイホームとカフェでは使用する目的が全く異なりますが、手に入れる段階では似たような側面を持っています。家族全員の要望を全て満たしたマイホームを建てようとすると、当初の予算を大幅にオーバーしてしまい、その後は無理をして生活費を節約しなければなりません。

同様に、カフェを始める時に必要な経費も天井知らず。立地条件をはじめ内装から設備にいたるまで、自分の理想を100%盛り込んでしまうと必要な開業資金は際限なく膨らんでしまいます。その反面、優先順位を決めて限られた資金を投入することで、かなり割安な金額でカフェを開くことも可能です。

したがって、カフェや喫茶店をオープンする際は「必要な開業資金=工夫次第でいくらでも調整できる」と理解しておきましょう。ここからは、おおよその予算金額がイメージできるよう、カフェの開業資金を8項目に分けて解説していきます。

物件取得費!前家賃や敷金の相場は?

独立店舗カフェを開く際に必要となるのが、店舗費用にあたる「物件取得費」です。家賃は固定費というイメージが定着していますが、正確には閉店しない限り支払い続ける「高額なランニングコスト」で、下記のような特徴がみられます。

▼物件取得費の相場と特徴

  • 家賃の基準:売上の10%程度
  • 前家賃:2~12カ月分
  • 保証金、敷金、礼金の合計:家賃の2~12カ月分
  • 仲介手数料:1カ月分
  • 家賃が高くなる条件:駅から近い/階数が低い/人通りが多い

ただし、家賃は最も慎重に判断すべき経費ではあるものの、出店するエリアや物件の築年数といった料金に影響する要素が多いのが難点。しかも、前家賃や敷金などの月数によって初期費用がかなり違ってきます。例えば、下記の一覧表では似たような坪数の物件を比較していますが、合計金額の差は明らかです。

東京/10坪 大阪/13坪 兵庫/11坪
家賃(1カ月分) 20万円 16万円 12万円
坪単価 2万円 約1.2万円 約1.1坪
前家賃 120万円/6カ月 96万円/6カ月分 24万円/2カ月分
敷金 40万円/2カ月 32万円/2カ月分 36万円/3カ月分
礼金 80万円/4カ月 32万円/2カ月分 24万円/2カ月分
仲介手数料 20万円 16万円 12万円
合計 260万円/13カ月分 176万円/11カ月分 96万円/8カ月分

その他、年間1.5万円ほどの火災保険や更新手数料なども考慮しておいた方が良いでしょう。

内装工事費と設計費!費用に差が出るポイントは?

カフェのオープンを予定している方にとって、最もこだわりたいポイントが内装ではないでしょうか。内装費用を決定づけるのは、「スケルトンか居抜きか」「業者委託かDIYか」の2点です。当然ながら、内装だけでなく設計も必要な「スケルトン物件」より、同業者が退去した物件をそのまま利用する「居抜き物件」の方が、格段に安い費用で済みます。

なお、設計から内装工事までを専門家に依頼するよりも、DIY(セルフビルド)の方が断然お得です。下記の通り、設計から内装までをDIYで仕上げた場合、内装業者の2/3~1/2程度まで坪単価の費用が抑えられます。

▼10坪前後の坪単価

  • 内装業者:20~50万円が相場
  • DIY:10~15万円ほど

ただし、DIYの場合は工事に時間がかかる分だけ家賃が発生するため、計画的に進めなければ費用もかさんでいきます。また、内装工事費や設計費用はカフェのコンセプトによっても異なるため、下記の記事も参考にして下さい。

▼内装に関する参考情報

設備費用!厨房機器やオーブンの相場は?

カフェの設備費用は、提供するメニューをはじめ店舗スペースや座席数によって違ってきます。例えば下記の通り、10坪ほどの店舗に15席を設けているカフェの設備を新品で購入した場合、平均的な合計金額は250万円ほどです。エスプレッソマシンの台数を増やすと、さらに費用はかさみます。

▼設備の相場(新品)

  • 厨房機器:10坪程度=約120万円/16〜17坪=約200万円
  • エスプレッソマシン:10~20万円
  • オーブン付きガスレンジ:10~20万円
  • 電気フライヤー:10万円
  • 冷凍冷蔵庫:25万円
  • 製氷機:15万円
  • 食器洗浄器:20~50万円
  • コールドテーブル(作業台):10万円前後
  • シンク:3~5万円

できるだけ費用を抑えたいという方は、中古品を検討してみましょう。商品の状態にもよりますが、新品に比べて半額ほどが中古品の相場と言われています。

▼設備に関する参考情報

備品費用!家具やPOSレジの相場は?

カフェの備品は、細かい食器なども含めるとかなりの数になります。テーブルや椅子は店舗の広さやカウンターの有無によっても必要数が異なりますので、相場はあってないようなモノ。ちなみに、下記では10坪前後のカフェに16座席を設置した場合の備品費用をピックアップしています。

▼備品費用の一例

  • テーブル4つ/椅子16脚(中古):28万円
  • POSレジ(中古):10万円
  • 食器など:10万円

広告宣伝費!看板やDMの相場は?

カフェを開店するにあたって、意外と見落としがちなのが広告宣伝費です。オープンしたての頃は知人などである程度の集客は見込めるでしょう。しかし、長続きさせるには宣伝が欠かせません。

看板制作費の相場は20万円ほどですが、チラシやDMの費用はピンキリです。できるだけ経費を抑えるには、手間を惜しまないのがポイント。自分でチラシを作成する、SNSを活用するなど費用対効果の高い方法で工夫してみましょう。

▼広告宣伝費に関する参考情報

雑費!消耗品や手続きに必要な金額は?

カフェの開業資金には、準備中に店舗へ通う交通費や手続きに必要な申請費用、テイクアウト用の包装資材費なども含まれます。必要な資格や申請は店舗の規模やメニューによって異なりますので、事業計画を作成する段階で確認しておきましょう。

▼資格や申請の費用

  • 食品衛生責任者資格の受講料:1万円
  • 防火管理者の受講料:6,500円~7,500円
  • 菓子製造業許可申請:16,800円

▼内装に関する参考情報

仕入れ費用!コーヒーの原価率は?

運転資金としてはもちろん、メニューの開発中にも仕入れ費用が発生します。種類や入手ルートにもよりますが、コーヒーの原価率は10%ほどが目安です。つまり、料金設定が1杯500円なら原価は50円となります。

運転資金!何カ月分が必要?

カフェの経営が軌道に乗るまでは、収入より支出の方が上回る赤字の状態が続きます。しかも、オープン前の準備期間はカフェの収入が全く得られません。

たとえオープン後に「思ったほどお客が集まらない」といった状態が続いたとしても経営に集中できるよう、あらかじめ運転資金を確保しておくのが鉄則です。なお、運転資金は想定される売上の6~12カ月分、または家賃の10~18カ月分が目安となります。

カフェのスタイル別!開業資金の一覧表

一口に開業資金といっても、経営するカフェや喫茶店のスタイルによってかなりの差があります。ここからは、「独立店舗カフェ」「自宅カフェ」「移動カフェ」の3タイプについて、個別に見ていきましょう。

独立店舗カフェ!開業資金の一例

下記の一覧表は、ここまでご紹介してきた各項目の相場をまとめた早見表になっています。合計金額は1千万を超えていますが、前家賃や礼金の金額によって大きく左右されるのが実情です。スケルトン物件から居抜き物件へ変更する、キッチン以外の内装は自分で行うなど、経費を削減する方法はいくらでもあります。

項目 金額 備考
前家賃 120万円 10坪/坪単価2万の物件/20万円×6カ月分
敷金 40万円 2カ月分
礼金 80万円 4カ月分
仲介手数料 20万円 1カ月分
内装工事費 300万円 スケルトン物件/業者委託/坪単価30万円
設備費用 250万円 エスプレッソマシン/暖房機器/製氷機/冷蔵庫/シンク/オーブンなど
備品費用 50万円 テーブル×4/椅子×16/POSレジ/食器など
広告宣伝費 20万円 看板/チラシ/HP作成費用など
雑費 30万円 交通費/包装資材などの消耗品/申請費用など
運転資金 240万円 仕入れ費用を含め、家賃12カ月分
合計 1150万円

また、選べるコンセプトの幅が広いのも独立店舗カフェならではの魅力です。下記の記事を参考に、エリア内の同業店とコンセプトが被らないよう、個性的なカフェを目指してみてはいかがでしょうか。

▼独立店舗カフェに関する参考情報

自宅カフェ!開業資金の一例

自宅カフェの最大の強みは、物件取得費が発生しないという点でしょう。この1点だけで独立店舗カフェに比べて260万円も安くなるうえ、運転資金も抑えられます。また、自宅用のトイレを提供して内装工事費を削減することも可能です。もちろん、オープン前に店舗へ通う交通費も発生しませんので、雑費まで割安になります。

項目 金額 備考
内装工事費 250万円 10坪/業者委託/坪単価30万円/トイレは自宅用を提供
設備費用 250万円 エスプレッソマシン/暖房機器/製氷機/冷蔵庫/シンク/オーブンなど
備品費用 50万円 テーブル×4/椅子×16/POSレジ/食器など
広告宣伝費 20万円 看板/チラシ/HP作成費用など
雑費 10万円 包装資材などの消耗品/申請費用など
運転資金 180万円 仕入れ費用を含む/売上30万円×6カ月分
合計 760万円

ちなみに、自宅カフェを検討されている方に役立つ情報は、下記の記事でも詳しく解説しております。

▼自宅カフェに関する参考情報

移動カフェ(キッチンカー)!開業資金の一例

3種類の内、最も少ない開業資金でオープンできるのが移動カフェの強みです。ある意味、坪数の少ない居抜き物件を購入するようなモノ。同業者が使っていた中古のキッチンカーなら、主な設備がそのまま付いてきます。もちろん、専門知識があれば自分でカスタマイズすることも可能です。

項目 金額 備考
車両費 200万円 キッチンカーの中古を購入/設備込み
内装費 50万円 改造&内外装を業者へ委託
備品費用 10万円 調理器具など
広告宣伝費 20万円 看板/チラシ/HP作成費用など
雑費 10万円 包装資材などの消耗品/申請費用など
運転資金 180万円 仕入れ費用を含む/売上30万円×6カ月分
合計 470万円

ちなみに、移動カフェにはレンタルという選択肢もありますが、購入するよりも割高になるケースが多いので注意が必要です。

▼移動カフェのレンタル費用

  • 平日の相場:3~5万円
  • 土日祝日の相場:7~10万円

▼移動カフェに関する参考情報

カフェの開業資金に使える「助成金」と「補助金」

十分な開業資金が用意できないからといって、家族や友人に頼るのは気が引けるモノ。そんな時は、助成金や補助金を申請するのも賢い方法です。カフェの開業資金として活用できる助成金や補助金は、どのような仕組みになっているのでしょうか。

なお、助成金や補助金についての詳細や申請の時期については下記の記事を参照して下さい。

▼移動カフェに関する参考情報

助成金とは?

人材育成や処遇改善など、一定の条件を満たしている方が助成金の対象です。返済義務がない反面、まずは自身の資金から先払いしなければなりません。したがって、最初からギリギリの資金で開業する場合は注意が必要です。

▼助成金の特徴

  • 管轄:厚生労働省
  • 返済義務:なし
  • 受け取り方法:先払いの自己負担→申請後に入金
  • 条件:正社員を雇用しているカフェオーナー

補助金とは?

補助金は助成金と違い、申請したからと言って必ずしも受給できるとは限りません。自治体ごとに内容や条件が異なるだけでなく、定員が設けられているケースが多いのです。

▼補助金の特徴

  • 管轄:主に市区町村などの自治体
  • 返済義務:なし
  • 受け取り方法:先払いの自己負担→申請後に入金
  • 条件:制度ごとに定員や審査基準など異なる
  • 対象:開業時の家賃/分煙設備の工事費/外国人向けHPの制作費など

まとめ

開業資金は、カフェや喫茶店をオープンする方にとって避けては通れないハードルです。だからこそ、事業計画と資金計画を同時進行で作成しましょう。どの項目にいくら必要なのか、いつまでに確保すべきなのかが一目で分かるようにしておくだけで、自動的に削減できる費用も見えてくるはずです。

なお、カフェや喫茶店の開業にご興味がある方は、下記よりお気軽にお問合せ下さい。

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