【定年時代 (朝日新聞折込新聞)2005年1月5日】
2005年1月5日
リライブフードアカデミー調理技術学び開業早くも評判に。
さいたま市緑区の鶴見憲二さん(54)は昨年20年間勤務した会社を脱サラし、カフェレストランを開業した。
「サラリーマンではなく、個人の力で独立して何かやってみたい」と54歳からの新たな挑戦だ。
鉱山関連の会社で鉱山技師として働いていた鶴見さんは在職中から 「将来は自分が好きな料理の仕事をできたら」と考えていた。妻の紹介で 飲食店開業のノウハウを学ぶ専門学校「リライブフードアカデミー」(豊島区)を知ったのはまだ在職中の2年前。早速入学し、仕事の傍ら週1回ペースで 約1年半通った。学校では経営ノウハウやコンセプトを学ぶオーナーコースと 調理技術を学ぶプロコースを受講。“53歳の新人”として若い人たちに交じって 実際のレストランで現場実習も行った。
およそ600時間の現場研修を体験し、昨年9月に卒業。会社も退職し、わずか 2ヶ月後の11月に店をオープンさせた。開業費用は退職金を充てた。「年齢的に最初で最後のチャンスかなと思って学校に入学しました。短期間で 効率良く学べて役に立ちましたよ」店の評判は早くも上々。「鴨肉照り焼きづけたたき風」「ぶつ切りきのこ&山芋入りの特製ハンバーグ」など洋風中心の手作り創作料理は全部で16種類。4年前に店舗付き住宅を購入し、現在は妻と一緒に店を営む。店の名前「チュテアモス」とはスペイン語で「うちとけた言葉で楽しく話しましょう」という意味。住宅地の一角にあるため、近くの主婦などが気軽にお茶を飲みに集まる。
開店して2ヶ月。忙しい日々が続くが、「自分の腕を磨いてもっとお客さんに喜んでもらえるよう頑張りたい。最低10年はやりたいね」と鶴見さんは夢膨らませる。