ベーカリー講師 稲垣 浩作先生 「最初にぶつかる壁」
こんにちは。リライブの稲垣です。
パン作りにおいて、初心者の方や当校の受講生に良く聞かれる質問をQ&A方式でお答えしたいと思います。
Q1:
生地を丸めるのが上手くいきません。綺麗に仕上げるコツはありますか?
A1:
ポイントは猫手です!!
パン教室では生地を丸める時に、生地を手のひらに乗せクルクル回して1個ずつ作る場合が多いのですが、
現場では両手を使って一度に2個ずつ丸めます。
その時に、机に手の爪を当てて見てください。猫の手の形になりませんか?
その手の中に生地を入れゆっくりと内巻に動かすとるとパン生地が適度に動いて、丸めやすくなります。
Q2:
仕込み水温ってなんですか?なぜ温度が関係するか解りません。
A2:
仕込み水温とは、簡単に言えば生地に入れる水の温度です。
パン生地には一年を通して、適切な捏上げ温度があります。適切な温度を保つ事で生地の発酵や
作業進行状況が常に一定に保たれ、商品を提供する立場になると、とても重要な基本中の基本です。
ちなみに生地の捏ね上げ温度は26~28℃が適温です。
夏と冬で粉温度や水温も変化しますので、そこから計算して生地を作るんですね。
Q3:
フィンガーチェックとは何ですか?
A3:
一つのパンを作る工程は以外に多く、ミキシング、分割、丸め、成型などなど。
発酵の工程を終え、分割の工程に進む時に使うのがフィンガーチェックです。
パンの生地は緩むと締まるを繰り返しています。
生地に力が加わると生地は締まります。
生地が締まっている状況で作業を続けてしまうと、出来上がりが小さく、固いパンになってしまいます。
締まった生地は発酵を取る事で緩んで行きます。見た目だけでは判断が難しいので、
フィンガーチェックで次の工程に進む見極めをしているんですね。年配の熟練者は
指穴テストと言ったりもします。
やり方は簡単です。
粉を付けた指で突いて、へこみを作ります。
へこみ部分が元に戻ったら、生地が締まっている証拠!!
へこんだままの場合は、生地が緩んでいる証拠です!!
この生地との会話は次の工程に入る、とても重要な会話なんですね。
この作業を怠った場合、出来上がりのパンの大きさは2倍程度変わってきてしまいますので、
十分に気をつけましょう!!
今回のポイント!!
生地は生き物である。優しく愛情を注げば必ず答えてくれる。