【日刊ゲンダイ】 すぐ始めるセカンドライフ準備
鉱山技師から転身
鶴見憲二さんが鉱山技師としてのサラリーマン生活に見切りをつけたのは54歳のときだった。念願のレストラン経営の準備を始めたのは退職の5年前、50歳を目の前にしていた。
「店はかなり前からやりたかった。それも洋食のレストラン。でも、本格的な洋食は作ったことがないので、飲食店開業のノウハウを教えてくれる学校に通いました。プロとしての調理の技術も店舗経営のノウハウもない、すべてゼロからのスタート。600時間の店舗実習もやりました」一番苦労したのはメニュー作りだ。洋食といってもありきたりのハンバーグではお客が集まるとは思えなかった。「メニューは試行錯誤の連続。学校の先生方にもアドバイスをもらい、開店にこぎつけました。」
席数は15席の小さなレストランだ。厨房は鶴見さん、接客とパン・ケーキ製造は奥さん。夫唱婦随の二人三脚のレストランがスタートした。開店から半年、「売上は多いに越したことはないが、あまり繁盛しても私の体力が持ちません。年金をもらう65歳まで夫婦二人が食べていくのが目標です」厨房に立つ姿もやっとさまになってきた。